親が亡くなったり、施設へ入居したりした後に残される「実家」。 避けては通れないのが、家の中に残された膨大な荷物の片付け、いわゆる「実家じまい」です。
「何から手をつければいいのか、全く検討もつかない…」
「週末に少しやってみたけれど、モノが多すぎて終わる気がしない…」
あなたも今、そんな風に途方に暮れていませんか?
実家じまいは、肉体的にも精神的にも、想像を絶するエネルギーが必要です。
何の計画もなく始めると、ほぼ間違いなく挫折してしまいます。
この記事では、実家じまいをこれから始める人のために、プロも実践する「挫折しないための5つのステップ」を完全ガイドします。さらに、誰もが気になる「業者に頼んだ場合のリアルな費用相場」についても詳しく解説します。
この記事を読めば、漠然とした不安が消え、今日から具体的に何をすべきかが明確になるはずです。一緒に一歩を踏み出しましょう。
なぜ実家じまいは挫折するのか?立ちはだかる「3つの壁」
手順に入る前に、敵を知っておきましょう。
多くの人が実家じまいで心が折れてしまう原因は、主に3つあります。



「エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などのいわゆる『リサイクル家電』は、家電リサイクル法に基づいて適切に処分する必要があります。
詳しくは、
👉経済産業省『家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)』や
👉環境省『家電リサイクル法の概要』もあわせてご確認ください。」
「リサイクル料金や正しい出し方の最新情報は、経済産業省の家電リサイクル法特設サイト
👉『家電4品目の「正しい処分」早わかり!』で公式に案内されています。」
これらの壁があることを前提に、無理のない計画を立てることが成功の鍵です。
【完全図解】挫折しない実家じまいの「5ステップ」

それでは、具体的な手順を見ていきましょう。
ポイントは「いきなり捨て始めない」ことです。
STEP1:計画と目標設定(ゴールを決める)
まずは作戦会議です。兄弟姉妹がいる場合は、必ず全員で話し合いましょう。
- 期限を決める
- 「いつまでに終わらせるか」を決めないと、ズルズルと何年もかかってしまいます。
- 「一周忌まで」「今年のお盆まで」など、具体的なデッドラインを設けましょう。
- 予算を決める
- 片付けにいくらまでお金をかけられるか、誰が負担するかを話し合います。
- 最終ゴールを決める
- 片付けた後、実家をどうするのか(売却する、誰かが住む、解体する)を明確にします。
- ゴールによって、どこまで片付けるべきかが変わります。
STEP2:仕分けのルール作り(迷わない仕組みを作る)
作業中に「これどうしよう?」と悩む時間が一番のロスです。
事前にシンプルなルールを決めておきましょう。
- 「3秒ルール」
- モノを手に取って3秒以内に判断します。悩んだら「保留ボックス」へ。
- 4分類法
- ダンボールやブルーシートを用意し、「残す(貴重品・形見)」「捨てる」「売る・譲る」「保留」の4つに機械的に分けていきます。

STEP3:小さい場所から始める(成功体験を積む)
ここが最大のポイントです。絶対に「思い出の品が多い場所(リビング、親の寝室)」から始めてはいけません。
アルバムや手紙を見つけて手が止まり、一日で挫折するのがオチです。
- おすすめのスタート地点
- 玄関、洗面所、浴室、トイレ。
- 理由
- ここには「明らかにゴミ(空のボトル、使い古したタオル、期限切れの洗剤)」が多く、判断に迷わないからです。
- 「これだけ片付いた!」という達成感が、次の作業へのモチベーションになります。
STEP4:大物の処分とリサイクル(プロの手を借りる)
タンス、ベッド、冷蔵庫などの大型家具・家電は、自分たちだけで運び出すのは困難で危険です。
- 自治体の粗大ゴミ
- 最も安上がりですが、指定場所まで運び出す必要があります。
- 不用品回収業者
- 部屋から運び出してくれますが、費用は高くなります。
- 相見積もりを取り、信頼できる業者を選びましょう。
- 買取サービス
- まだ使える家電や骨董品などは、出張買取を利用すると処分費の節約になります。
STEP5:書類・貴重品の最終確認(見落とし厳禁)
最後に、権利書、通帳、保険証券などの重要書類や、貴金属などの貴重品がないか、タンスの引き出しの裏や本の間まで徹底的に確認します。
これらが誤って捨てられてしまうトラブルは後を絶ちません。
業者に頼むといくらかかる?気になる費用相場
「自分たちでやるのは体力的に無理…」「遠方で通えない…」という場合は、遺品整理業者や片付け業者に依頼することになります。
では、一体いくらかかるのでしょうか?
間取り別の料金目安(作業費+処分費)

業者の料金は、「モノの量(トラックの台数)」と「作業人数・時間」で決まります。
一般的な目安は以下の通りです。
- 1R・1K: 3万円 ~ 8万円
- 1LDK・2DK: 7万円 ~ 20万円
- 2LDK・3DK: 12万円 ~ 30万円
- 3LDK・4DK以上(一軒家): 25万円 ~ 50万円以上
※上記相場は、筆者の独自調査および主要な遺品整理業者の公開情報に基づく一般的な目安です。
ゴミ屋敷状態だったり、エレベーターのない団地の高層階だったりする場合は、さらに追加料金がかかります。
一軒家の実家を丸ごと片付けてもらう場合、最低でも30万円、モノが多ければ100万円近くかかるケースも珍しくありません。
失敗しない業者の選び方(悪徳業者に注意!)
業者に頼むと決めたとしても、適当に選ぶのは危険です。
残念ながら、作業後に見積もりとは違う高額な追加料金を請求したり、回収した荷物を不法投棄したりする悪徳業者も存在します。
トラブルを避け、後悔しないために、以下の3つの基本的なポイントを必ずチェックしてください。

大切な実家の片付けを任せる相手です。
料金の安さだけで飛びつかず、信頼できる業者を慎重に見極めましょう。
【重要】無理して片付けなくてもいい?第三の選択肢
ここまで読んで、いかがでしたでしょうか?

そう感じた方も多いのではないでしょうか。正直なところ、実家じまいは本当に大変です。仕事をしながら週末だけで終わらせようとすれば、半年や1年は覚悟しなければなりません。
もしあなたが、
「実家を相続したけれど住む予定はない」
「なるべく手間やお金をかけずに手放したい」と考えているなら、
無理して自分たちで片付ける必要はないかもしれません。
実は、不動産の売却方法には、「中の荷物をそのままの状態にして売る」という選択肢があるのをご存知でしょうか?
「片付けない」という賢い選択
一般の不動産仲介では「きれいに片付けて更地にする」ことが前提となる場合が多いですが、世の中には「残置物(残された荷物)」ごと買い取ってくれる専門の業者が存在します。
この方法を選べば、あなたは

「片付けなきゃ」というプレッシャーで心身をすり減らす前に、一度この選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
この方法を選べば、あなたは膨大なゴミの分別や運び出しから解放され、高額な費用を払う必要もありません。
※ただし、一般的にきれいに片付けてから売却する場合と比較して、買取価格は多少下がる傾向にある点には注意が必要です。
それでも、「片付けなきゃ」というプレッシャーで心身をすり減らす前に、一度この選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、「荷物が残ったままの実家」をそのまま売却する具体的な方法や、メリット・デメリットについて詳しく解説しています。
実家じまいの苦しみから、最短ルートで解放される方法かもしれません。
👉大量の荷物がある実家、片付けずにそのまま売れるって本当?残置物撤去の裏側
※ 片付け費用は不要。最短数日で現金化も可能です。






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